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ほぼテク 6月5日ChatGPTで金融業でのAI活用?クライアント情報の間違いを探し出す

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こんにちは、ほぼテクの読者の皆様、いつもありがとうございます。
今日は6月5日晴です!今日も元気にいきましょう。

どうも、SRA東北の我妻裕太です。

今回は金融業でのAI活用について考えていきたいと思います。

金融業と言えば、銀行や証券会社、保険会社など様々なビジネスがありますが、共通して言えることはクライアントの情報が重要なアセットとなるということです。
顧客の信用情報や投資の履歴、保険の契約内容など、そのデータの正確さはビジネスの成否を左右します。

ここで重要なのが、そのデータが正確であることを確認すること。

人間が確認するには膨大な時間がかかりますが、AIを使えば効率的にチェックができるようになります。
今回は、その中でも特に重要な「マスタ情報に基づく間違い探し」について説明します。

まず、「マスタ情報に基づく間違い探し」とは何か。

これは、基準となる情報(マスタデータ)を使って、それに基づいた他の情報や文書が正しいかどうかを確認することを指します。

具体的なユースケースを考えてみましょう。
たとえば、ある銀行では顧客の口座情報がマスタデータとして保持されています。顧客名、住所、口座番号など、重要な情報が一覧表になっています。

そして、毎月送られてくる請求書や通知文書などには、そのマスタデータを元に作成された顧客情報が記載されています。
しかし、作成過程で入力ミスがあったり、顧客情報の更新が間に合わなかったりと、必ずしも請求書や通知文書の情報がマスタデータと一致しているわけではありません。

そのため、出来上がった文書の情報がマスタデータと一致しているか確認する作業が必要になります。大量の文書を人間が確認するのは困難ですが、AIを使えば大量のデータも高速で処理し、一致しない情報を素早く見つけることができます。

AIは間違いを発見したら、それを人間に報告することも可能です。例えば、マスタデータでは住所が「東京都中央区」になっているのに対し、請求書では「東京都渋谷区」になっている場合、その不一致を検出し、修正を促すことができます。

金融業界では、顧客情報の正確性が信頼関係を築く上で非常に重要です。そこにAIを活用することで、ヒューマンエラーを減らし、効率的な業務運営が可能となります。

それではさっそく試してみましょう。

まずはテストデータです。このようなデータを用意しました。

マスタデータ(顧客データ)
顧客ID: 001, 名前: 田中太郎, 住所: 東京都新宿区, 口座番号: 123-456-789
顧客ID: 002, 名前: 鈴木花子, 住所: 神奈川県横浜市, 口座番号: 987-654-321
顧客ID: 003, 名前: 佐藤一郎, 住所: 大阪府大阪市, 口座番号: 789-456-123
顧客ID: 004, 名前: 伊藤次郎, 住所: 福岡県福岡市, 口座番号: 345-678-912
顧客ID: 005, 名前: 渡辺三郎, 住所: 北海道札幌市, 口座番号: 234-567-891
顧客ID: 006, 名前: 山本由美, 住所: 宮城県仙台市, 口座番号: 567-891-234
顧客ID: 007, 名前: 中村和夫, 住所: 愛知県名古屋市, 口座番号: 678-912-345
顧客ID: 008, 名前: 小林雅子, 住所: 石川県金沢市, 口座番号: 891-234-567
顧客ID: 009, 名前: 加藤真矢, 住所: 静岡県浜松市, 口座番号: 912-345-678
顧客ID: 010, 名前: 田村利夫, 住所: 茨城県水戸市, 口座番号: 123-789-456

チェック対象のデータ(請求書情報)
顧客ID: 001, 名前: 田中太郎, 住所: 東京都渋谷区, 口座番号: 123-456-789
顧客ID: 002, 名前: 鈴木ハナコ, 住所: 神奈川県横浜市, 口座番号: 987-654-321
顧客ID: 003, 名前: 佐藤一郎, 住所: 大阪府大阪市, 口座番号: 789-456-123

上記のチェック対象のデータの中に誤りがあるのですが、みなさん分かりましたか?
今回はChatGPTの「GPT-3.5」と「GPT-4」試してみましたよ。

GPT-3.5でマスタ情報に基づく間違い探し

【GPT-3.5の回答】

マスタデータとチェック対象のデータを比較します。以下はマスタデータと一致しない箇所です:

  1. 顧客ID: 001, 名前: 田中太郎, 住所: 東京都新宿区, 口座番号: 123-456-789 チェック対象のデータでは住所が「東京都渋谷区」となっています。

  2. 顧客ID: 002, 名前: 鈴木花子, 住所: 神奈川県横浜市, 口座番号: 987-654-321 チェック対象のデータでは名前が「鈴木ハナコ」となっています。

以上がマスタデータと一致しない部分です。


正解!瞬殺ですね。めちゃめちゃ回答が早いですね。
中身の結果も誤りをちゃんと見つけてくれているのでOKです。

このくらいのスピードで結果がでるのはうまくいけばかなりの効率化になりそうな予感??

GPT-4でマスタ情報に基づく間違い探し

【GPT-4の回答】

マスタデータとチェック対象のデータを比較した結果、以下の不一致点を確認しました。

顧客ID: 001のデータ

マスタデータでは住所が「東京都新宿区」になっていますが、チェック対象のデータでは住所が「東京都渋谷区」になっています。
顧客ID: 002のデータ

マスタデータでは名前が「鈴木花子」になっていますが、チェック対象のデータでは名前が「鈴木ハナコ」になっています。
顧客ID: 003のデータはマスタデータとチェック対象のデータで一致しています。


正解!こちらも正解です。スピードはGPT-3.5の方が圧倒的に早い印象です。
ただ、データの量が多くなってきた場合に経験談ではGPT-3.5は間違うケースもある印象なので、その点は利用するデータやデータ量によって使い分けできるといいかもしれません!

どちらにせよ、かなり効率化できそうな気がしますね(^O^)/

まとめ

っというこでまとめです。

今回は金融業界をイメージしたChatGPTのユースケースを考えてみました。

大量の文書を人間が確認するのは困難ですが、AIを使えば大量のデータも高速で処理し、一致しない情報を素早く見つけることができます。

このような間違い探しのプロセスは、金融業界に限らず、マスタデータという概念がある全ての業界で活用できます。皆さんの業務にもぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

それでは、また次回のほぼテクでお会いしましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました!

SRA東北の我妻裕太でした。
さようなら!

原稿執筆
株式会社SRA東北ビジネス・ディベロップメント
チーフ・ディレクター 我妻裕太

 

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